そんなこんなで今日も行く

弁護士のブログです。主に業務で購入した書籍の紹介をすると思います。

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

退職取締役と競業避止義務の問題

昨日の続きです。 高知地方裁判所平成2年1月23日判決をもとにした問題。 会社での経営方針や、人間関係など様々な事情からこのまま会社には居られないと思い、退職した取締役が、前の会社と競業する会社に移り、または自己で競業する会社を立ち上げた場…

競業避止義務違反と退職

競業避止義務とは、会社の取締役が・執行役が「自己又は第三者のため、会社の事業の部類に属する取引」を行うには取締役会(非取締役会設置会社の場合は株主総会)の承認を得なければならないという義務を指します(会社法356条)。 競業が問題となる場面…

端から聞くと不穏当

少々前の話ですが、自分で作成した和解条項案で登記権利者の単独登記申請ができるようになるのかを確認するため、法務局へ行ってきました。 やたら混んでいて、相談窓口での相談まではまだまだ何人か待たなければならない様子。しょうがないので、番号札をも…

商行為にいう銀行取引(商法502条8号)

さて今日は解答編です。 ここで問題のおさらいを致します(ちなみに若干表現に変更があります)。 Aは多数の人間に対し、自己の資金で、年利15%で金銭の貸付をしていた。そのためAは周囲の人間から「金貸し」と見られていた。 AはBに対し、8年前、金…

商行為該当性の問題

昨日書いた問題ですが、ちょっと不親切でしたので修正。 Aは不特定多数の人間に対し、自己の資金で、年利15%で金銭の貸付をしている。そのためAは周囲の人間から「金貸し」と見られていた。 AはBに対し、8年前、金銭を貸し付けていたことを思い出し…

民事債権と商事債権

今日は民事債権と商事債権について。 前者が民法上の債権であり、後者が商法上の債権。後者は、営利性迅速性の観点から、民法上の債権と扱いが異なるところがあります。 たとえば法定利息。民事債権では、利息を付すべき債権でありながら特段利息について定…

取得時効と即時取得

仕事と関係はないですが、久しぶりに法律ネタ。 無過失推定の問題で、取得時効(民法162条。ここでは2項が問題)と即時取得(民法192条)で混乱してしまった方から質問があったのでひさしぶりに考えてみました。 取得時効についてはわざわざ解説の必…